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| 2003.01・02 MCRJ ニュースレターより |
| モンテカルロ・ラリー小史(1960年―1970年) モンテカルロ・ラリーの歴史は、1911年に開始されたモナコ自動車クラブ主催の「ラリー・オートモビル・モナコ」に始まる。この自動車ラリーの当初の目的は、フランス政府筋が、ヨーロッパ中の金持ち連中を、モンテカルロを中心とした地中海・リビエラ海岸沿いのリゾート地へと、観光誘致の画策をしたものであった。当時、自動車による長距離旅行はまだまだ「冒険旅行」とも言うべきもので、これがヨーロッパ中の若い貴族や名士の冒険心を強く刺激し、次第に「誰が一番速く到着したか」という競技性の色彩を持つようになっていった。また同時に、激走後のモンテカルロでの「心ときめく」ヴァカンスも、太陽に乏しい北方の貴族たちにとっては、大いに魅力だったに違いない。 その後、現在の「ラリー・モンテカルロ」にタイトルを変え、第一次、第二次の世界大戦、その他で何度かの中断は見たものの、昨年2002年には第70回目を迎えるに至った。(余談ながらMCRJでは1966年大会を無効として2003年イベントを第70回としているが・・・) 余談ながら戦前のモンテの雰囲気は、トニー・カーチス主演の映画「モンテカルロ・ラリー」(原題:Monte Carlo or Bust)が余すところなく伝えているので、興味のある向きは一度レンタル・ビデオ屋をチェックされたい。 ![]() しかしながら大多数の我がミニ/ミニクーパー愛好家にとっては、このような「太古の時代」を語っても眠気を誘うに過ぎないと思われるため、ここではミニ/ミニクーパーがモンテカルロ・ラリーに登場し始めた1960年から、遂には静かなる退場を強いられる、1970年代初頭までの間の同ラリーについて考察することにする。 1960年(第29回大会) BMCはこの年のモンテにミニを大量投入する。それまでのBMCチームと言えば、熱心なラリー参戦の甲斐なく、国際ラリーのなかでは余り芳しくない状況に置かれていた。ミニの登場はセンセーションを巻き起こしはしたものの、850tの小排気量では、世界の強豪の前では所詮刃が立たず、その他の英国車も決して誇らしい成績を収めていたとは言えなかった。 この年、衝撃的な1.2.3フィニッシュを飾ったのはメルセデス・ワークスチームで、同社の中型サルーン「メルセデス220SE」は、5位にも入賞するというまさに圧勝であった。 ![]() 優勝したSchock-Moll組のメルセデス220SE 英国勢の中では、かろうじて4位にルーツ・グループ傘下のサンビーム・レイピアが食い込み、BMCグループでは、最も健闘した女性チームに贈られる「Coupe des Dames」(女性賞)は常連、パット・モス/アン・ウィズダム組がオースチンA40を駆って総合17位に入り、これを獲得した。 もっとも彼女らにしてみれば、以前からオースチン・ヒーレー3000を駆っての男まさりのその走りは当たり前で、特にパット・モスは「女性賞」なる差別的な賞典には、すでにうんざりしていたらしい。余談ながら後年彼女は、ミニの走りは不安定で落ち着きがなく、最も嫌いなクルマだったと語っている。その後彼女は、BMCの5倍という契約金でフォードに移籍したが、まんざら金銭に目がくらんだだけではなかったのかも知れない。ただし、フォードへの移籍もわずか1年のみで、彼女はさらに夫・エリック・カールソンの所属するサーブ・チームへと転籍する。 さて前述したワークス・ミニであるが、実際のラリーデビューは前年8月のヴァイキング・ラリー、そしてそれに続くRACラリーではあったものの、1台のミニ850がどうにかこうにか総合23位という体面を保ったのがこの1960年のモンテであった。しかしながら生産上の初期トラブル(クラッチの早期磨耗等)の連続から、出場したミニの大半はリタイヤを余儀なくされ、ラリー界においてミニが注目されるには至っていない。途中のアクシデントによりボディ側面が大きく歪みながら完走した「TMO 560」号が、ミニのモノコック・ボディの堅牢さを証明はした。(この部分の詳細は、MCRJニュースレター2001年8月号、トニー・アンブローズ・インタビュー記事を参照されたし。) ![]() ピッツ/アンブローズ組のこの車両は有名。 ![]() パット・モス/ウィズダム組(オースチンA40) ![]() ルーフランプを装備したジャガーMK2 これら一連の写真でもお分かりのように、1960年当時のモンテカルロ・ラリーは、依然としてアマチュア・ラリーストにとっても上位入賞が充分に狙える、長距離ツーリング的な色彩を残したものであった。ミニがワークスチームによるクーパー/クーパーSの大量投入により大暴れを開始するには、まだ数年の歳月を必要としていた。 続きはニュースレターにて、、 |